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小林よしのり
2018.1.1 15:27メディア

正月の朝ナマに出なくて良かった


正月の朝ナマにはやっぱりウーマン村本が出たらしい。

最近、漫才でたった一回、政治風刺をやったからと

いって馬鹿みたいに持ち上げられていたから疑問だった。

 

わしは、村本は単なる「無知による反戦平和主義」だと

見抜いていたから、評価していない。

案の定、「非武装中立」論者であり、他国に侵略されたら

「白旗上げて降参」するそうだ。

他国に侵略されて占領されてもいいと言う者と議論する

意味なんかない。

どんな地獄が待っているか、想像力がまったくないのだろう。

 

尖閣諸島は中国に「取られてもいい」そうで、敵兵と殺すか

殺されるかの状況になったら、「殺されます」と答えたという。

沖縄も「元々中国から取ったんでしょ」などと、中国寄りの

デマを言っている。

琉球王国は薩摩と支那の両方に朝貢していたが、支那に

属していたわけではない。

 

憲法9条も読んだことないそうで、知識は小学生以下だろう。

村本が国民の代表と思っているなら、田原総一朗も朝ナマの

プロデューサーも国民を馬鹿にしている。

 

かつて朝ナマに出ていた野坂昭如も竹やりで戦うなどと

言っていたことがあったが、冷戦時代はそんな戯言も通用

した。

今はそんなくだらん議論をしている時代ではないだろう。

 

ガンジーの非暴力主義なら「個人的な哲学」としてあり得るが、

あれは英国に植民地支配されている状況下の抵抗運動であり、

今の日本国が侵略されない保証などないのに、非暴力主義で

国民を地獄に道連れするわけにはいかない。

愛する人が敵兵に強姦され、惨殺される光景を見ても、

戦わない人間なんかクズである!

 

村本は中高生でもないし、若者でもない、無知なおっさんだ。

無知は罪でもある。

わし自身を振り返りつつ言うが、無知は常に恥じて勉強

し続けなければならない。

無知に開き直って、これが国民の知的水準だと抗弁するのは、

国民に対して失礼である。

 

同じ反戦平和サヨクでも、例えば室井佑月なら、わしは認める

のだ。あれは国民の多くの人々を代表していると思う。

室井氏ならわしは国民の一部と対話している気になれる。

室井氏は真剣に国を憂いている。知的誠実さもある。

ウーマン村本は知的誠実さがまるでない。

 

朝ナマは、今後はウーマン村本を中心に議論をすればいい。

わしは行き過ぎた平等主義は嫌いだ。

表明すべき意見や、発見のある議論はあると思うが、議論の

価値もない意見が確かにある。

時間の無駄づかいはしたくない。

わしはウーマン村本と一緒に出演することはない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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